ご質問 13:
『機動戦士ガンダム』に出てくる「メガ粒子砲」というビーム兵器のことについて質問します。
「メガ粒子砲」は光速の10%以上に加速された重金属粒子を宇宙空間では中性粒子ビーム、大気圏内では荷電粒子ビームにして発射する光線兵器です。
しかし大気圏内で荷電粒子が直進するには最低1000万kwの出力が必要で、MS(モビル・スーツ→全長約20mの人型兵器)で初めて使用可能になったのは「RX−78 ガンダム」が最初だそうです。
この機体に搭載された小型・高出力の核融合炉(軽い元素なら全て核融合反応を、しかも陽子レベルで行なう)は連続発射も可能なレベルです。燃料は水素だそうです。
『機動戦士ガンダム』の設定年代は西暦に換算すると、2130〜2150年(アムロ・レイ登場から行方不明まで)の頃の話しだそうです。
この主役MSの重量は100t以下で地上走行速度は時速400km超、大気圏内をマッハ2以上で飛行します。機体の耐熱限界は3000℃以上です。このロボット、100年先には実現しますか?
それと「ガンダム」の潜水限界は2000mです。超合金ガンダリウム合金製で150mm対戦車砲の直撃にも耐えます。宇宙空間は熱核パルス・エンジン、大気圏内は熱核ジェット、水中は熱核水流ジェット推進に切り替わります。
「メガ粒子砲」は後に「ハイ・メガ粒子砲」になり、重金属粒子は光速の60%近くに加速されるようになります。威力は「コロニー・レーザー」に匹敵し、「ZZガンダム」の必殺武器です。以上、作品解説でした。「ガンダム」ファンのサイトで調べたから確かな情報です。
でも疑問に思ったのは戦車砲やミサイルより、光線兵器が桁違いに強力なことです。核融合炉がいくら大電力だといっても限界があるのでは?是非、疑問に答えてください。
それと「ガンダム」の世界ではレーザー兵器は小銃、「メガ粒子砲」は重機関銃みたいな扱いです。同じ光線兵器でも威力は数段劣る扱いです。それじゃ失礼します。
回答
「機動戦士ガンダム」は、作者の想像力が生んだSFです。現代の技術で実現できない部分を想像力で補って成り立っています。例えば、小型高出力の核融合炉(1,000万kW以上)ですが、ガンダムに搭載することを考えると2m四方の部屋に収まる程度でなければならないでしょう。現代の発電所(火力発電所一基で100万kW程度)の規模を考えると、どれほど途方もない技術革新がなければならないかは、容易に想像できると思います。「機動戦士ガンダム」は、このような小型高出力の核融合炉が実現できたならば、実現されるかもしれないという話です。
話の設定では、ガンダム(RX−78)は身長18m、重量43.4tです。身長180cmの人の10倍です。身長が10倍になると、その体積である体重はおよそ1,000倍(10の3乗)になります。標準体重70kgとして単純に計算すると70tですね。どうみてもガンダムは軽すぎるので、材料にはアルミニウムよりも軽くて、鋼鉄よりも強靭な物が必要となりそうです。しかも3000゜C以上に耐えるとなると、いっそう難しいでしょう。従って、100年先の科学の進歩状況は計り知れませんが、現在の科学では常識的に考えるとこのようなモビルスーツを作ることは無理です。
ビーム兵器についてですが、「メガ粒子砲」は、作者が創作した「電磁場封入物質ミノフスキー粒子」の持つ性質があって(創作ですのでこの粒子の性質に関して科学的根拠はありません)初めて実現できるものですから、現代の科学では実現不可能です。「レーザー」は光ですので空気中でもあまり散乱されることなく遠くまで到達できますが、粒子ビームでは空気の分子と衝突してすぐに散乱して消滅し、遠くまで到達することができません。従って、大気圏内での粒子ビームは射程距離の問題で難しいでしょう。光線兵器は、エネルギーが細いビームに集中しているので貫通力がありそうです。アニメをみても、光線が貫通した後に内部で爆発が起こって破壊されています。けた違いの破壊力と見えるのは、このためでしょう。内部爆発がないと、ただ穴を開けただけです。これに対して、砲弾やミサイルは外壁に当たって爆発し、そのエネルギーで外壁から破壊していくものです。
結局のところ、「機動戦士ガンダム」のようなSFは現代の技術で実現できない部分を想像力で補って成り立っているものなので、しっかりと勉強して現在の科学の限界を学び、どの部分が作者の創作によるものかを自分の力で読み取ってください。
<2004年11月15日>
