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Q&A <2008年>

Q
  1. プラズマ閉じ込めの技術が完成すると、次に重水素と3重水素を融合させる研究に入ると思いますが、重水素と3重水素のそれぞれの原子核はプラスに電荷しています。これらがプラズマのために衝突をする、あるいは結合するという解釈は正しいでしょうか。
    だとすると自然界に存在するヘリウムの陽子2個同士がくっついている「核力による結合」と、核融合反応による結合は、どう違うのでしょうか。
  2. 海水から重水素および3重水素を取り出す技術は具体化していますか?
    また、これらは放射性物質ですか?
  3. ウランの核分裂による質量の消滅は、ニュートリノという極めて軽い物質と聞いたことが、あります。それがヒロシマ型原爆です。
    重水素と3重水素の結合による核融合反応は、ニュートリノとは桁違いに重い中性子の質量が失われるのですから、莫大なエネルギーが得られると考えてよろしいですか?

  1. 重水素の原子核は陽子1個と中性子1個で構成されます。3重水素の原子核は陽子1個と中性子2個で構成されます。陽子はプラスの電荷を持っていますので、2個の陽子を結合(核融合反応)させるためには、電気的な反発力を上回る力(スピード)で2個の陽子を衝突させる必要があります。高温のプラズマ中では電気的な反発力を上回る力(スピード)を持った陽子が衝突して核融合反応が起こります。つまり、重水素と3重水素を高温のプラズマ状態にすることにより、原子核同士の融合が起こるスピードが得られるということです。
    自然界に存在するヘリウムの陽子2個同士がくっついている「核力による結合」と、核融合反応による結合は同じです。電気的な反発力を上回る力で原子核同士が近づくと、核力が働いて原子核の結合が起こります。これが、核融合反応です。自然界に存在している物質も、何らかの原因で(恒星内部の核融合反応や超新星爆発など)核融合反応により生成されたものです。
  2. 天然水中には約0.015%の重水素が含まれています。
    水の中から重水素を取り出す技術として、水蒸留法、水-硫化水素化学交換法、電解法、等の水素同位体分離・濃縮装置が実用化されています。特にカナダでは、冷却材として重水を使用した原子力発電所が沢山稼動しており、湖水や河川水から大量の重水が生産(水-硫化水素化学交換法)されています。
    これらの技術は海水中の重水素の分離回収にも適用可能です。

    水素の同位元素として、軽水素、重水素、3重水素の3種類があります。このうち、放射性物質は3重水素だけです。重水素や重水は放射性物質ではありません。

    海水中に含まれる3重水素は量的にはきわめて微量です(10億分の1のさらに10億分の1程度)。核融合炉で燃料として必要な3重水素は、リチウムを原料として原子炉や核融合炉中で中性子による核変換により生産されます。
  3. 重水素の原子核(陽子1個、中性子1個)と3重水素の原子核(陽子1個、中性子2個)の結合による核融合反応では、ヘリウムの原子核(陽子2個、中性子2個)と中性子1個が生成されます。ヘリウムの原子核の重さは、陽子2個と中性子2個のそれぞれの重さの合計よりわずかに軽くなっています。これが質量欠損で、この欠損分が核融合反応により生成されたヘリウムの原子核と中性子の運動エネルギーとなります。核融合反応によって中性子の質量が失われる訳ではありません。
    核融合炉では中性子が持つエネルギーを熱エネルギーに変換して発電に利用します。
以上、ご理解を深めていただくことが出来れば幸いです。
2008年10月3日

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