LHD

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Q&A <2008年>

Q今日(10/25)行きたかったけど行けないのでここから質問します。 LHDの中で電子とイオンはそれぞれどのくらいの半径?で周りながら移動しているのですか?移動方向は電子とイオンで同じですか?または反対ですか? まったくイメージが無いので教えてください。 またその半径になるためにどのくらいの強さの磁界をかけているのでしょうか?

荷電粒子は磁場があると磁場方向には自由に運動できますが、磁場に垂直方向には自由な運動ができません。磁場方向の速度がゼロの場合には、磁場に垂直な面上を円運動(ジャイロ運動)します。最初のご質問の半径はこの円運動の半径(ジャイロ半径)を質問していると思いますので、まず、これについてお答えします。
荷電粒子のジャイロ半径は荷電粒子の重さと電荷量、速度及び磁場強度で決まります。ここでは、荷電粒子として、LHDプラズマに典型的に存在する電子と水素イオン(陽子)を例にとり説明します。また、電子、水素イオンは熱速度(プラズマ中の粒子群はいろんな速度でいろんな方向に運動していますが、それらの粒子群の速度の2乗の平均値の平方根を熱速度と呼びます。熱速度の2乗に粒子の質量を掛けたものがその粒子群の温度です。)で運動しているとします。この時、LHDプラズマの典型的な電子、水素イオンの温度、1keV(約11,600,000 ℃)の時の熱速度は電子で1.33x107m/s(13,300,000 m/s), 水素イオンで3.09x105m/sとなります。さらに、LHDの典型的な磁場強度として、3テスラを採用すると、1keVの電子と水素イオンのジャイロ半径はそれぞれ、3.57x10-5m(0.0000357m), 1.52x10-3mとなります。ここで、磁場強度3テスラというのは核融合研究所のある岐阜県土岐市の地磁気(約4.6x10-5テスラ)の約650,000倍となります。また、ジャイロ運動の向きは電子と水素イオンで電荷の正負が異なりますので、回転方向も逆になります。
次に、磁場方向にも電子、水素イオンが速度を持っている場合についてお答えします。この場合、電子、水素イオンは磁場に垂直方向には回転しながら、磁場方向に移動し、らせん状の運動をします。この時の磁場方向に電子、水素イオンが運動する時に方向と速度について以下でお示しします。
プラズマに電子と水素イオン以外の荷電粒子が含まれる場合は複雑な計算が必要となりますので、ここでは、プラズマが電子と水素イオンだけでできている場合に話を限ります。また、磁場方向に電流が流れている場合と流れていない場合で様子が変わりますので、まずは、磁場方向に電流が流れていない場合について説明します。この場合、一個一個の電子、水素イオンはいろんな速度でいろんな方向に運動していますが、電子群の速度の平均値と水素イオン群の速度の平均値は同じで、向きも同じです。外からビームが入射されたり、プラズマがドーナッツの中心から外側に逃げることにより、電子群と水素イオン群は磁場方向に加速されると考えられていますが、正確な原因は現在研究中です。LHDにおける水素イオン群の速度の計測結果によると、1x103~5x104m/sの速度が観測されています。一方、磁場方向に電流が流れている場合は、電子群の水素イオン群と速度に差が生じます。電流はプラズマ環に電場を掛けたり、プラズマがドーナッツの中心から外側に逃げることなどにより生じますが、これも正確な原因は現在研究中です。LHDにおける磁場方向の電流計測結果によると最大150kAの電流が観測されています。この時の電子と水素イオンの速度差は電子と水素イオンの密度に依存しますが、LHDの典型的な密度である2x1013個/ccの場合、約4.5x104m/sとなります。
2008年11月12日

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