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Q&A <2012年>

Q中央日報の記事について 
前略で失礼します。
中央日報の記事によると、日中韓による核融合技術の共同研究や日本のLHDを使用した共同実験について協議した。「商用化の早期達成と次世代エネルギーの主導権確保を目指す」とあります。
 中韓には「次世代エネルギーの主導権確保」を掲げる程の研究施設も実績もないように思えますが、貴研究所の技術や情報が流出するだけにはなりませんか?両国と共同研究する"利点"や"必要性"、研究成果の取り扱い規定など広く周知して頂けるよう強く要望します。よろしくお願い申し上げます。

 核融合エネルギー開発(核融合研究)に関する日中韓の共同研究推進について貴重なご意見を頂き、ありがとうございます。
 過去に我が国の多くの産業技術が海外企業へ流出したことは、技術創造立国である日本の産業基盤を揺るがす大きな問題です。日本国全体として脇の甘さを正すように改善すべきことと考えられます。
 核融合研究においても情報流出は適切ではないので、私どもも国から示された知的所有権や技術情報流出防止のためのガイドラインに従い、個々の研究協力の案件について審査したのちに国際協力を実施しています。
 核融合研究の国際協力には長い歴史があります。核融合研究は戦後主要国家で秘密研究としてスタートしましたが、高温のプラズマを安定に閉じ込めることが極めて困難であったため、公開して研究の進展を図ったほうがよいということになり、55年ほど前に研究が公開されました。以来、国際的な研究協力が行われてきています。東西冷戦の時代にも、高温プラズマの測定が国際協力で行われたことは有名な話です。近年になり、高温プラズマを安定に保持する原理が分かってきて、その物理的課題が克服される見通しが得られるようになりましたが、まだ学問的な段階といえます。
 現在、世界の主要な7つの国と地域(日本、EU、米国、ロシア、中国、韓国、インド)の国際協力でフランスにITER(国際熱核融合実験炉)という装置を建設中です。この装置で初めて核融合反応による熱出力実験を行う計画です。ITERにより核融合の基礎的な物理と工学を確立した後に、発電を行う原型炉を各国で作ることになるでしょう。ヘリカル型の核融合炉は、定常運転性能および経済性に勝るため、将来の原型炉に採用されるよう大型ヘリカル装置(LHD)の学術研究を現在進めています。
 ITER計画は核融合研究において大変重要なプロジェクトです。このITER計画は日本が主導しており、日本人である本島修前核融合科学研究所長がITER機構長を務めています。また、このITER計画には同じアジアからの参加国である中国と韓国が全面的に運営にも関与しています。
 ITER後の原型炉から商用発電所として産業化する段階では、当然多くの技術情報やノウハウが重要になり、各国の技術力で装置開発を行うことになると考えられます。その際、物作りの得意な日本の企業の果たす役割が重要になります。
 コメントを頂きました日中韓によるアジア三か国の核融合の共同研究は、まだ学問的な研究協力の段階で、物作りの技術協力ではありません。中国と韓国では、新しいタイプの中型の超伝導トカマク装置が最近稼働を開始しました。そのため、私どものLHD装置を含めた三か国の共同研究により高温プラズマ保持の学術研究情報を得ることは、我が国の研究レベルの向上にも役立つものです。
 ご指摘のように、研究成果の取り扱いには今後十分注意を払う必要があり、国内の研究者に周知することが重要であると考えております。その上で、学術的な研究交流を進めていきたいと考えています。有益なご指摘ありがとうございました。
2012年9月3日

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