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Q&A <2013年>

Qレーザー核融合とヘリカル装置との電気効率では、どちらが良いですか?長所と短所を教えて下さい。

 将来の核融合発電所における発電効率に関するご質問かと思いますが、同じ電気出力を得るために必要な電力と考えることもできます。
 磁場閉じ込め方式の核融合炉では、核融合反応で生成される高エネルギーのヘリウムイオンによる自己加熱で、核融合反応に必要なプラズマ温度を維持します。それにより連続的に燃焼して、そのエネルギーにより発電することになります。核融合反応を持続させるためのいわゆる「点火」までは外部からの加熱電力が必要ですが、定常運転性能に優れているという長所を有するヘリカル型核融合炉では、一度点火すれば運転に必要な電力は超伝導コイルの冷却や冷却水の循環などに限定され、電気出力の数%以下で済みますので、とても効率の良い発電方式となります。現在、この点火条件をできるだけ小さい装置で達成できるように、プラズマ閉じ込めの研究を精力的に進めています。
 同じ磁場閉じ込め方式のトカマク型核融合炉では、ヘリカル型に比べて小さい装置で点火条件が達成できる見込みですが、原理的にプラズマ中に電流を流し続ける必要があるため、定常運転には電流駆動のための電力も必要となります。そのため、運転に必要な電力が全体として電気出力の15~20%程度に抑えられるよう、効率のよい電流駆動方法が精力的に研究されています。
 一方、慣性閉じ込め方式のレーザー核融合は、直径数 mmの固体燃料またはカプセル入りの燃料を強力なレーザーで瞬時に加熱することにより、高温・高密度のプラズマを生成して、核融合反応を起こす方式です。レーザー核融合炉では、これを1秒間に数回の割合で繰り返すことにより、連続的にエネルギーを発生させて発電することになります。高価な超伝導コイルを必要とせず、炉心がコンパクトになるという利点がありますが、高精度の高出力レーザーシステムが必要で、その運転に大きな電力を必要とします。毎回の核融合反応に繰り返し使用する大出力レーザーの効率は、投入電力の数%以下と小さいため、運転に必要な電力が全体として電気出力の25%以下に抑えられるよう、レーザー効率を10%程度に高めるとともに、少ないレーザー加熱入力で大きな核融合出力を取り出す加熱方法の研究が精力的に進められています。
 このように、各方式にはそれぞれ利点と特徴があり、実現に向けてそれぞれの課題に対する研究が進められていますが、将来の核融合炉における電気効率という観点では、レーザー核融合炉よりもヘリカル型核融合炉の方が優れていると言えます。
2013年1月22日

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