LHD

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Q&A <2013年>

Q核融合発電が行われた際の炉壁の交換周期はどのくらいですか?その炉壁は核廃棄物になるのでしょうか?

 ご質問ありがとうございます。研究所が計画している重水素実験と将来の核融合炉について、分けてお答えいたします。
 まず、研究所の大型ヘリカル装置(LHD)は、将来の核融合エネルギーの実現を目指して、高温のプラズマに関する学術研究を行うための実験装置で、現在、普通の水素を用いた実験を行っており、核融合反応が起きることはありません。プラズマは希薄な電離ガスで、磁場の力により装置の壁から離して保持されています。そのため、数千万度以上の高い温度にすることができますが、密度は大気の10万分の1以下と低いため、プラズマの持っているエネルギーは小さく、仮に壁に接触したとしても、壁に大きな損傷を与えることはなく、むしろプラズマは冷やされて消えてしまいます。
 研究所が計画している重水素実験は、プラズマの基となるガスを水素からその同位体である重水素に代えて、プラズマの温度等の性能を上げようとするものです。ただし、使用するガスの最大でも1万分の1以下と小さな割合ではありますが、核融合反応が生じてしまうため、その際に発生する中性子により、装置の材料の一部が放射化します。放射化の程度は低く、重水素実験終了後、約40年で、日用品の材料として再利用できる程度(クリアランスレベル以下)に減衰するので、放射性廃棄物になることはありません。
 次に、将来の核融合炉ですが、中性子により装置と建屋の一部が放射化します。しかし、原子炉の使用済み核燃料と異なり、放射化した装置は低レベル放射性の固体放射化物であるため、環境中に拡がるおそれはありません。最近、低放射化材料の研究開発が進んでおり、15~20年程度使用することができる見通しが得られています。そして、装置に使われた部品は、数十年(最短で30~40年程度)保管すると放射能レベルが低下するため、炉材料として再利用することができます。また、建屋は装置寿命以上に使用することができ、使用後のコンクリートは装置等の金属よりも早く放射能レベルが低下します。このように、将来の核融合発電所は、確かに中性子により装置と建屋の一部が放射化しますが、大量の放射性廃棄物が出ることはありません。
 また、将来の核融合発電では、放射性物質であるトリチウム(三重水素)を燃料に使いますが、それが出す放射線のエネルギーは低いため、その放射線影響は他の放射性物質に比べて極めて弱いものです。そのため、厳格な取り扱い管理により、十分な安全性が確保できます。なお、重水素は放射性物質ではありません。
 このように、核融合発電所は、厳格な管理により高い安全性が確保でき、二酸化炭素を放出せず、その原料は海水からほぼ無尽蔵に得られるため、将来のエネルギー源として研究開発を進めています。
2013年2月18日

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