LHD

Home > Q&A> Q&A2013

Q&A <2013年>

Q個人的に興味があり、色々と調べてたのですが、どうしても理解できなかったので、 質問させてください。核融合発電についてです。融合炉は、核融合反応の閉じ込めの為に真空にしていると思うのですが、そこからどのようにエネルギー(熱? 磁力? 放射線?)を取り出し発電に繋げるのでしょうか? 炉が放射線の影響を受けるというのは理解できるのですが、その力で発電するわけではないですよね? 真空内から熱を取り出すのもムリだと思ったのですが・・・ よろしくお願いいたします。今後の研究発展に大いに期待しています。頑張ってください。

 核融合反応は太陽などの恒星のエネルギー源です。恒星の内部では、4つの水素の原子核がヘリウムの原子核に変換される核融合反応が主に起きています(詳しくは「ppチェイン」や「CNOサイクル」をキーワードとして調べてみてください)。このとき、反応前の水素(質量数:1)4つを合わせた質量よりも、反応後に生じるヘリウム(質量数:4)の質量の方がわずかに軽くなっています。これは、核融合反応によって質量がエネルギーに変換されたためで、アインシュタインが導いた特殊相対性理論の中の有名な関係式「E=mc^2」(エネルギーは質量に光速の二乗をかけたものに等しい)で説明できます。核融合反応により、わずかな質量で大きなエネルギーを生み出すことができるため、恒星は非常に長い期間にわたって輝き続けています。
 さて、水素4つをヘリウムに変換する核融合反応はとても起こりにくいため、地上で実現をめざす核融合炉では、重水素(質量数:2)と三重水素(質量数:3)がヘリウム(質量数:4)と中性子(質量数:1)に変換する核融合反応を利用します。反応前後の質量数の合計はいずれも5ですが、実際の質量は、反応後の方がごくわずかに軽くなり、その軽くなった質量分は、ヘリウムと中性子の運動エネルギーに変換されます。つまり、核融合反応によって生ずるエネルギーは、ヘリウムと中性子の運動エネルギーとなるため、これらは大きな速度を持っています。このとき、ヘリウムの原子核は正の電荷を帯びているため、プラズマを閉じ込めている磁場によって捕捉され、プラズマとの衝突を繰り返して持っている運動エネルギーをプラズマへ受け渡すことにより、高温のプラズマを維持します。一方、電荷を持たない中性子は、磁場の影響を受けることなくプラズマから飛び出し、真空中を通り抜けて、プラズマを取り囲むように核融合炉の壁に配置されたブランケットと呼ばれる機器に入り、受け止められます。そこで中性子の持つ運動エネルギーは熱エネルギーに変換されて、ブランケット内を循環する冷却材によって、その熱エネルギーを外部に取り出し、火力発電所と同様に、熱交換器により水蒸気を発生させて、発電機により発電をします。
 水素が化学反応で燃える時、すなわち、酸化して水になる時に生じるエネルギーと比較して、核融合反応で生じるエネルギーはおよそ600万倍にもなりますので、核融合反応を利用すると、燃焼による化学反応で得られるのと同じエネルギーを、非常に少ない燃料で得ることができます。そのため、核融合プラズマの密度は大気の10万分の1程度と、ご質問にありますようにほぼ『真空状態』ですが、そこで生じる核融合反応によって、十分大きなエネルギーを得ることができます。
 このように核融合発電は、少ない燃料で大きなエネルギーを得ることができ、燃料は海水からほぼ無尽蔵に得られ、二酸化炭素も放出しないなど、将来のエネルギー源として優れた性質を持っています。
2013年3月11日

Home > Q&A> Q&A2013

Q&A

皆様からのご質問と回答

環境監視情報

重水素実験情報公開

e-mail情報配信登録

登録された方に核融合科学研究所の情報をメールにて提供します。

重水素実験について

市民説明会について