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Q&A <2013年>

Q

重水素実験について、いくつか質問があります。ホームページに書かれた「重水素実験の概要とその安全性」の内容についてです。ご返答のほど、よろしくお願いします。素人ですので、出来るだけわかりやすく、簡潔な説明をお願いします。

  1. 発生するトリチウムは、年間何ベクレルの予定ですか?
  2. トリチウム除去装置で、実験で発生するトリチウムの90パーセントを回収できるということですか?回収できず排気されるトリチウムの量は年間では何ベクレルになりますか?

  3. 中性子は壁で遮へいするとありますが、放射線はどうして外に漏れるのでしょうか。
  4. 壁を通過する放射線は、研究所の門衛所のところで年間0.002ミリシーベルト(自然に受ける放射線の1000分の1以下)の影響とあります。しかし、環境中への放射性物質の蓄積、生物濃縮や内部被曝の影響が気になります。どのようにお考えでしょうか?

    ご質問について、それぞれ以下にお答えします。
  1. 前半の6年間は、最大積算量として、1年間に370億ベクレルです。後半の3年間は、最大積算量として、1年間に555億ベクレルです。これらは上限値なので、実際の実験ではこれを超えないように行います。
  2. トリチウム除去装置で回収しきれずに外部に放出されるトリチウムの量は、実験年に依らず、年間37億ベクレル(0.1キュリー)(年間の最大積算放出量)以下にすることとしています。トリチウムの年間の最大積算放出量と最大積算発生量から計算すると、回収すべき量は前半の6年間が90%、後半の3年間が93%となるため、総じて90%以上を回収すると説明しています。
  3. 中性子は壁(コンクリート)を通過する間に、コンクリートの成分の原子と衝突して、エネルギーを失ったり、消滅したりします。中性子が原子と衝突する現象は、中性子の速度と周囲の物質に依存して、ある確率で生じます。従って、厳密にいうと、ある確率の掛け合わせのため、完全にゼロにすることはできず、中性子は壁を厚くするにつれてその数は急激に少なくなりますが、確率的に消滅を免れて外に出てくるものもあります。中性子が2メートルのコンクリートの壁を通過する場合は、1千万個の中性子のうち1個程度が消滅を免れて外に出てきます。他の放射線(ガンマ線やベータ線、アルファ線)の場合も同様に、消滅を免れる確率は中性子の場合と異なりますが、一部の放射線が外に出てくることになります。このようなことを考慮して、外に出てくる放射線の量が十分低くなるように、遮へいの壁の厚さは決められます。
  4. 放射線は放射性物質から発せられるもので、他の物質に当たれば消滅してしまうため、環境中に蓄積することはありません。
     一方、重水素実験で発生するトリチウムは放射性物質ですが、上述したように、トリチウム除去装置により回収するため、環境中への排出量は年間37億ベクレル以下に抑えられ、研究所の門衛所のところに1年間ずっと立っていても、体内に元々あるトリチウムの15分の1以下の影響しかありません。
     トリチウムは生物濃縮することはありません。また、弱い放射性物質であるため、他の放射性物質が体内に取り込まれただけで遺伝子を傷つける可能性があるのに対して、体内に取り込まれても、細胞核の中に取り込まれない限りは遺伝子を傷つけることはほとんどありません。そのため、トリチウムの内部被ばくの程度は、他の放射性物質に比べて低く、法律の範囲を超えて大量に体内に取り込まない限り、危険なレベルにはなりません。平均的な体重60kgの日本人では、体内に280億個のトリチウム(50ベクレル)があります。従って、上述した体内のトリチウムの15分の1の影響とは、3ベクレル程度のトリチウムに相当します。水には1リットル当たり1ベクレル程度のトリチウムが含まれていますので、その影響は3リットルの水を飲むことに相当するともいえます。
     なお、人の体内には、トリチウムより強い放射性物質であるカリウム40、炭素14などが、トリチウムよりもはるかに大量に存在していますが、それによる内部被ばくの影響はほとんどありません。遺伝子の損傷については、自然界から体内に取り込まれている放射性物質よりも、化学物質などにより受けるものがほとんどといわれています。

2013年6月5日

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