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Q&A <2013年>

Q
  1. 貴研究所の研究内容とは少し内容が異なるのですが、恒星内での陽子-陽子連鎖反応に要する期間は100億年程度と聞いています。しかし、太陽誕生が約45億年前と聞いているので、そうするとまだ太陽では核融合によるエネルギーが発生していないことになるのですが、実際は太陽より核融合によるエネルギーが地球に届いています。そのあたりの関係はどのようになっているか教えて頂けませんか、お願いします。
  2. またウラン等の核分裂時発生の放射性物資と比較して三重水素(トリチウム)の危険性についてはどのようなものでしょうか、最近福島原発よりトリチウム漏れのニュースをよく聞くので、ご教授頂けませんか。

  1. ご存知の通り、太陽程度かそれよりも小さな恒星内部では、陽子-陽子連鎖反応により、4つの水素がヘリウムへ変換する核融合反応が起きています。この反応は非常にゆっくりとした反応であり、ある1個の粒子が核融合反応を起こすまでの平均時間は、太陽の場合100億年程度になります。このように、確率的には非常にまれにしか起きない反応ですが、反応にかかる時間が100億年というわけではありません。10個の粒子があるとすれば、同じ時間内に起きる反応の回数は10倍になるため、反応が起こる平均の時間は10分の1になります。1億個の粒子があれば、1億倍の反応回数になり、反応が起こる平均の時間は1億分の1になります。太陽には桁違いにたくさんの水素がありますので、反応を起こす割合が非常に小さくても、膨大な量の核融合反応が起きており、膨大なエネルギーを放出しています。また、非常にゆっくりとした反応なため、太陽は100億年以上にわたって燃え続けることができるのです。
  2. トリチウム(三重水素)は放射性物質なので、その取り扱いと管理はしっかり行う必要があります。しかし、セシウム137などの他の放射性物質と比べると、その放射線影響は小さいため、体内被ばくの程度が高いわけではありません。そのため、適切な管理を行うことにより、安全に取り扱うことができます。
     トリチウムは弱いベータ線と呼ばれる電子を放出しますが、エネルギーが低く皮膚で止まることから外部被ばくはありません。トリチウムは気体として吸入しても体内に取り込まれることはほとんどありません。水や有機物の形状では体内に取り込まれますが、特定の組織に蓄積することはなく、水の形では10日、有機物の場合では40日で体外へ排出されて半減していきます。また、内部被ばくの影響も、核分裂生成物のヨウ素131やセシウム137に比べて約500分の1と小さなものですし、トリチウムだから体内に取り込まれ易いということもありません。トリチウムは宇宙線により上空で生成され、自然環境中にも、水1リットルあたり1ベクレル程度存在しているため、人体にも50ベクレル程度存在しています。
2013年10月24日

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